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日本蛾類学会2020年総会・研究発表会【報告】

2020年総会・研究発表会は2月1日、東京大学本郷キャンパス・理学部2号館4F大講堂で開催された。

弘中 満太郎氏(石川県立大学)による特別講演「飛蛾の火に赴くが如し:昆虫走光性の行動メカニズム」は石川県などの祭事に残る虫送りが昆虫の正の走行性を利用した伝統的な防除方法であることが紹介され、さらに最近の研究成果や防除製品の開発の流れを講演していただいた。光に虫が集まるというのはどのようなパターンがあるのか、引き寄せられるメカニズムは何なのか。ライトトラップを頻繁に行う蛾屋にはとても興味深い講演であった。

一般講演では「日本産Eupoecilia属の1未記録種と1新種(ハマキガ科:ハマキガ亜科:ホソハマキガ族)」、「ミノウスバ成虫の卵保護類似行動」、「赤石山脈における高山蛾の分布状況」、「驚愕のミノガ採集法」、「オオベニモンアオリンガの分布域と雄交尾器の二型」、「オオハイジロハマキとハイジロハマキの分類学上の問題点」、「屋内でみられる小蛾類の蛹による識別(メイガ科)」、「Campylotes属(マダラガ科)分類と生態の再検討」と分類、生態学的なな研究の話題など多岐に渡る話題が提供された。

また、一般講演最後の「学会WEBの活用について」では蛾類学会公式webサイトのコンテンツの運営目的やその状況、学会刊行物の電子化、SNSやミニブログを用いた広報活動や各コンテンツの今後の展開について触れた。

研究発表会109名、懇親会63名と多くの方々に参加を頂き、盛会のうちに終了した。会場の手配など頂いた東京大学総合研究博物館助教、矢後勝也氏に厚く御礼申し上げます。

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Last update: 11 Feb, 2020