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会長挨拶


私が小学生の頃(昭和30年代)は、東京都区内のイチョウの木にクスサンが発生していました。 ある日、家の電灯にとまっているクスサンをみつけました。大きな蛾なので怖かったのですが、初めて手で触れてみました。 大きさだけでなく翅の紋様の美しさに感動しました。それ以来私は蛾の虜になり、50年以上経った今でも毎日蛾と過ごしています。

蛾は一般には嫌われ者のようです。毒があるとか、鱗粉を撒き散らすなどの汚くて気持ち悪いというイメージ(先入観)があるからだと思います。 しかし、これらのイメージは蛾のことを知らないからで、調べていくとイメージは間違っていることに気付きます。 斑紋の美しさ、変わった生態など一般の方々のイメージと反対に蛾は大変魅力のある昆虫なのです。また、人間に一番役立った昆虫も蛾(カイコ)です。 養蚕業は特に明治以降日本の近代化に貢献しました。

我が国には約6500種の蛾が知られていますが、毎年新記録も出て将来は7000種を超すと考えられています。 分布や生態では解明されていないことも沢山あります。これらの研究に多くのアマチュアの同好者が貢献しています。

日本蛾類学会は、チョウ目ガ類に興味を持つ研究者や同好者の集まりです。本会は1953年、杉俊郎、杉繁郎、井上寛、星野昌哉の4人で蛾類同志会として発足しました。 杉俊郎さんの死後、1960年に会名を日本蛾類学会と改名し現在に至っております。発足当時からアマチュア主体の学会でしたが、プロの研究者と一緒に日本の蛾界の発展のために貢献してきました。 「Tinea」と「蛾類通信」の2種の会誌を発行するだけでなく、「みくに会」という採集例会や、研究発表会などを行い、新しい知見を得るだけでなく親睦を深める機会を大切にしています。

蛾に興味を持っている皆さん。ぜひ、本会に入会して下さい。中・高校生や初心者でも大歓迎です。多くの方々が、蛾に興味を持ち、蛾界が発展することを望んでいます。

日本蛾類学会 会長 / 岸田泰則

Last update: 9 Nov, 2017