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2019年秋の例会(報告)

2019年、秋の例会9月28日に国立科学博物館附属目黒自然教育園(2階会議室)にて行われた。

特別講演は小松貴氏による「好蟻性蛾類に関する最近の知見」ではアリによりそう奇妙な蛾の話題が提供された。これまで研究が進んでいる好蟻性の鱗翅目はシジミチョウ科であり蛾類についてはほとんど知見が得られていない。好蟻性とはどのような現象なのかについての説明から始まり、小松氏の驚異的な観察力がきっかけで明らかになったフタホシキコケガの生態について述べられた。また、今後の研究の課題にも触れられ活発な意見交換が行われた。

一般講演では岸田泰則氏の「日本産カトカラ属32種目の発見について」では今年、新たに得られた日本産カトカラ32種目のマホロバキシタバの話題が提供された。つづいて中尾健一郎氏による「東南アジア産Pindaraツマムラサキクチバ属について」では斑紋パターンがよく似ているツマムラサキクチバの分類学的研究な話題を紹介された。新津修平氏による「東京都におけるオオミノガの生息状況」では、近年のオオミノガの状況、東京周辺の状況、生存戦略の変化ついて発表された。四方圭一郎◎・枝恵太郎・飯森政宏氏による「赤石山脈の高山蛾調査2019」では今年の調査隊の成果について報告された。美しい高山蛾の紹介とこうした山でのライトトラップを行うにあたり、山小屋や他の登山客の理解を得るのはもちろんのこと法的な手続きについても詳しく触れられた。最後の木村正明氏による「アマミキシタバの幼生期」ではこれまで幼生期や成虫の化性が不明でったアマミキシタバを野外で得たから採卵して、成虫を飼育羽化させるまでの奮闘の記録を発表された。今後は野外で幼虫が得られるかどうか更なる解明が期待される。

今回の秋の例会の参加者78名、懇親会参加48名と昨年を上回る大盛況で無事終了いたしました。ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
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Last update: 8 Oct, 2019