A1:生物分類学上では特に違いはありません。昆虫(=胸脚が3対の節足動物)の中の鱗翅目 (Lepidoptera)に含まれる動物で、昼間の環境に特化して飛翔力の鋭敏な一群を蝶(Rhopalocera)と呼び、 それ以外のものを蛾(Heterocera)と呼んでいます。日本語や英語では、蝶(butterfly)と蛾(moth)と 区別していますが、区別していない言語もあります。成虫の形態であえて区別点を挙げるとすると、 触角が異なっています。蝶の触角は棍棒状で、蛾の触角は糸状・櫛状・羽毛状など様々なものがあります。 因みに学名の Rhopalocera は、棍棒状(Rhopalo-)の角(cera)を意味し、 Heterocera はそれ以外(Hetero-)の角(cera)を意味しています。(M)
A2:蛾(成虫)は、基本的に蝶と同様のストロー状の口ですので、液体を吸うことしかできません。
蝶と同様に、花の蜜・樹液・果樹液・水などを吸って生活しています。
肉汁等の動物質の液体を吸うこともあります。動物の傷口から血を吸う蛾がいるという報告も海外ではあります。
また、一部の蛾では口が退化して、成虫になってからは全く摂食しないものもあります。
この場合には、体内に蓄えた脂肪等をエネルギー源として活動します。カイコガ(蚕蛾)はその典型的な例です。
蛾の幼虫(芋虫や毛虫)は、基本的には植物の葉を食べて成長します。
種類によって食餌植物はだいたい決まっていますが、まだよく判っていないものもあります。
枯葉の場合もあります。例外的に、イガ(衣蛾)のように動物性の蛋白質を食べるものもいます。
卵や蛹の期間は、何も摂食しません。(M)
A3:まったく当てになりません。(M)
A4:日本産の蛾で毒のあるのは、ほんの数種類です。
ドクガ科やカレハガ科の幼虫(毛虫)には、毒針毛をもつものがあり、この毒針毛が繭や成虫にも付着して
います。特にドクガの仲間では、雌成虫の尾端に毒針毛がたくさん付着していて、産卵の際に卵塊の表面を
この毒針毛で覆うという興味深い習性があります。また、イラガ科の幼虫の棘にも毒があります。
また、マダラガ科の体液にも毒性があるようです。毒を持つ蛾は、種の割合で日本産蛾類全体の1%にも
満たないといえます。しかし、ドクガ・チャドクガ・モンシロドクガ・イラガは人里に多く、
注意が必要です。もし被害にあったときは、抗ヒスタミン剤やステロイド剤が炎症をおさえる効果が
あるようです。(M)
(付記:次のサイトにも詳しい説明があります。
『日本昆虫館』)
A5:最近、チャドクガ(茶毒蛾)の被害が多く報告されるようになりました。
そこで、チャドクガについて説明します。
チャドクガは、ドクガ科の蛾で学名はArna pseuoconspersa (Strand)といいます。
日本の関東地方以西の温かい地方に分布しています。成虫は、6月と10月の年2回発生し、
卵で越冬します。チャドクガの被害が多いのは、幼虫が多発する8月です。
幼虫は毒の刺毛をもっており、この毛に触れるとかぶれます。
ですから、幼虫の食樹であるツバキやサザンカの植え込みに、肌を露出した服装で入ることは避けた方が
よいでしょう。毛が皮膚についたときには、こすったりせずに粘着テープではがしとるか、
水で流せば被害は軽減されます。もし、かぶれてしまった場合は、抗ヒスタミン剤とステロイド剤で
治療すればよいでしょう。ただし、赤く腫れてきら、皮膚科に行ったほうがよいでしょう。
成虫も幼虫時代の刺毛(毒毛を含む)を体に付着させて飛翔するので、気をつける必要があります。
しかし、被害は少ないようです。(K)
(付記:次のサイトにも詳しい説明があります。
『日本昆虫館』チャドクガ)
A6:わかりません。 種類によって飛来時間帯が異なっていたり、雌雄で飛来の割合が異なっていたり、生態学的になかなか 興味深いものです。なお、蝶の中にも光にやってくるものが時々います。 一般に、昆虫類は近紫外線によく反応するようです。そのことを応用して、誘蛾灯ではブラック・ライトを 使用してます。(M)
A7:いろいろな理由で、まだ新種が記録されています。特に小型の蛾類はまだ研究が十分でなく、 新種が相次いで記載されています。(J)
A8:現在、約6000種が記録されています。日本産の蝶は約250種ですから、20倍以上の種類がいることになります。 詳細については、このウェブサイトの「日本の蛾」のページを参照してください。(J)
A:もちろんモスラは蛾ではありません。蛾をモデルにした架空の生物です。
モスラが蛾と違うところは、まず幼虫の目の位置です。モスラの幼虫の目は膨らん
だ胸部にありますが、蛾の幼虫の目は、頭部の横側に単眼が数個あります。モス
ラの成虫の口は、噛む口になってますが、蛾の成虫の口はストロー状の吸う口で
すし、カイコの仲間は口が退化してありません。モスラの翅には大きな目玉模様
があります。目玉模様というのは、鳥類の攻撃から身を守る役割があるとされて
ます。とういことは、もし、モスラが実在したならば、モスラを襲う巨大な鳥が
いることになるとの指摘もあります。(K)
E-Mail: info@moth.jp
更新:2010.08.22